オーストラリアという国
オーストラリアは実は独立国ではないんですよ、と言ったら、驚きます?
これは書類の上というか、建前上というか、形式だけのことで、もちろん、実際は、独立しているのと変わりません。
オーストラリアのトップはイギリスのトップ、つまり今ならエリザベス女王です。これは日本のトップが形式的には天皇であるようなものです。
しかし、天皇は日本人、エリザベス女王はイギリス人、早い話、オーストラリアはイギリスの子会社なのです。
なぜ、はっきりと独立しないのか、この場合は、イギリスの王様や女王様と縁を切って、Republic(共和国)になるということらしいですが、これはやはりセンチメンタルな要素が大きいと思います。
オーストラリアはイギリスから送られた人が作った国です。もちろん、その前には、アボリジニーズと呼ばれる人々が住んでいましたが、国という形態はとっていませんでした。
その後、世界各地からの移民がやってきて、イギリスからやってきた、あるいは先祖がイギリス人だった人々の割合は年々減っていっていますが、積極的に絆を断ち切りたい人は少ないようです。
皇室や王室というのはアイドル的な意味もあるので、「自分たちの」ロイヤルファミリーだと思っていたいのでしょう。
しかし、スコットランドが独立を言い出す世の中ですから、この先、どうなるか、ナゾです。
植民地時代、イギリスはGovernor(総督)というのを、オーストラリアに送って統治させていましたが、この形は、今でもGovernor-General(連邦総督)として残っています。
ただし、今は、イギリスから派遣されるのではなく、オーストラリア政府が選んだオーストラリア人を、女王が任命するという形式になっています。
連邦政府にひとりだけでなく、各州にもGovernor(総督)がひとりずつ任命されていて、Government House(総督官邸)というところに住んでいます。この費用は、家事をする職員を含めて、すべて税金でまかなわれています。
金遣いの荒いひと、派手な人は選ばないでね、と思っちゃいますね。