オーストラリアは移民の国です。
もしかして、日本もそうでしょうか。
人類はアフリカで生まれたそうですよね。つまりアフリカ以外はみんな移民でできた国というわけです。
まあ、それは極端でも、オーストラリアは確かに移民の国です。
オーストラリアの先住民、アボリジニーズと呼ばれる人たちも、ずうーっと昔(5万年ぐらいという説あり)ではあるものの、どこかからやってきたようです。
キャプテンクックが1770年にオーストラリア大陸を「発見」したあとは、イギリス人が大量に移民してきました。
この中には自分の意思で移民したのではなく、流刑にされたイギリスの囚人たちがいました。
第二次世界大戦のあとは、イタリアから、たくさんの移民がやってきました。
その後は、貧しかったギリシャから、大勢やってきました。
ベトナム戦争のあと、南ベトナムが北ベトナムに敗れると、ベトナムからボートに乗って難民がどんどんやってきました。いわゆるボートピープルです。
それから、近年は内乱続きのアフリカの各国から難民が来ました。スーダン、ルワンダ、シェラレオネ、リベリア…
白人入植者に対する弾圧が起こったジンバブエからは白人も移住してきました。
そのあと、目立ったのがインドからの移住者や留学生。タクシー運転手をする人が多くて、社会問題にもなりました。
今は、アフガニスタンなど中近東からインドネシア経由で沈みそうな漁船に乗ってやってくる人たちでしょうか。
これらの人たちは、そのとき、そのときで大量にやってきた移民ですが、それとは別に、中国や台湾からは、香港が、昔、イギリスの植民地であったこともあって、継続的にたくさんやってきています。
中華人民共和国が共産主義バリバリの間は、中国本土からの移民はいなかったと思いますが(なにしろ、閉ざされた国でしたから)、今は留学生も移民もたくさんきています。
お隣のニュージーランドはオーストラリアより移民しやすいそうで、ニュージーランド経由でやってくる人たちもけっこういます。
ニュージーランドの市民権のある人はオーストラリアに住めるからです。
40年前、私がオーストラリアに初めて学生として行ったとき、画一的な日本社会と比べた、オーストラリア社会の多様性に驚きました。
27年前に移住した時は、マルチカルチャリズム(多文化主義、multiculturalism)という言葉があふれていました。
今は、実際にマルチカルチャーになってしまったからでしょうか、聞かないような気がします。この言葉。
世界旅行をしなくても、世界中の人に知り合える国、それがオーストラリアです、なんてね。